Verbose

本日のお題:HAPPY HALLOWEEN♪ Have fun and be safe!
今年のハロウィーンは滅多に無い(once in a blue moon)満月(full moon)の夜、とはチャンネル8の気象予報士シェリー・シマさん。ハワイでは所々通り雨があったけれど、大人も子供もこの機会を逃さず一緒に楽しんだことだろう。HP開設記念(大袈裟だなあ)はアメリカの代表的な行事、ハロウィーンの見物録。

ハロウィーンの主役はもちろん子供たち。ただで貰えるお菓子に加えて日没後も認められた遊びの時間という二つの大きな楽しみがあるせいか、私の家庭教師先の子供たち(小学校6年、5年、2年)は結構はしゃいでいた。一方、大人の方も負けてはいない。とんでもない服装や化粧で出勤してノリの良さを競う人があちらこちらに登場する。銀行の窓口おじさんやスーパーのキャッシャーのオバサンが突如ジェダイの騎士や魔女に変身して、客も一緒になってそれを楽しんじゃう。それには、魔女の付け爪が長すぎて常以上にモタモタレジを打つオバサンや、ダース・ベーダのマントが邪魔でコンピュータの画面を覗いている途中でふうふう言って脱ぎ始めるおじさんとかを、ニッコリ笑って見守るのが大人の客というものだ(^^;)

ハロウィーンの夜は仮装パーティで盛り上がるのが一般的な大人の楽しみ方。が、外国人留学生としては子供たちが実際にはどんな風にお菓子をせしめるのかもかなり興味があるし、楽しい発見も多い。去年に引き続き、日没後友達と連れ立って近所の子供たちの様子を見に出かけた。今年は一応我々も多少の工夫を凝らし、友人は額に絆創膏を貼って第三の目をでっかく描き、私は猫耳をつけてノリを見せる。

 

 

ハロウィーンの仕度は9月に入る早々から始る。スーパーはハロウィーン用の袋菓子をセールで売り出し始め、様々な飾り付け用品(例えば、綿でできたクモの糸やゴム製のコウモリ)やロウソク、ジャック・オー・ランタン(上に写真を載せた。余談だが、この写真はどうやらシールを貼って目鼻をつけているようだ。本物は中身を刳り貫き、写真のような顔立ちを刻んで蝋燭に灯を灯して窓辺や玄関に飾る)を作る大きなオレンジ色のカボチャも店頭に顔を出す。

袋菓子は、大抵大きい袋の中に更に小袋入りでキャンデーやチョコレートが入っている。
家庭教師先での観察によると、ハロウィーン用の小袋(お化けやカボチャのプリント付きで紙製やビニール製)があって、それに買ってきた袋菓子を小分けして詰め合わせを作っておくようである。この詰め合わせ作りは小学校でコンテストがあるとか。どのお母さんが丁寧にかつ美味しそうに見えるようにお菓子を袋に詰められるか競うそうである。洋の東西を問わずお母さんって大変!(^^;)

治安の悪化は今に始ったことではないので、いくらハロウィーンでも小さな子供を付添い無しで出すことはしない。12歳以下の小さい子供には大人が付き添うようにニュースなどで助言している。その他に、懐中電灯を持参せよ。光る素材を身に付けさせよ。子供がもらってきたお菓子は親が点検せよ、等々。子供達は集団で手を繋いで引率されてあちこちの家庭を廻っている。それより少し年長らしい少年少女達は、数人のグループで連れ立っていた。(ハロウィーンの安全な楽しみ方に関心のある方はこちらをどうぞ)

迎える各家の方は、テラスに椅子を出しそこに座って子供達を待っていたり、あるいは玄関口で待ち構えていて「Trick or treat」と言われると間髪入れずに扉を開ける、という具合。子供にお菓子を用意して待っているところは、同じく子供のいるお宅かお年よりが多い。そういうお宅は、カボチャのランプを灯したりハロウィーンの飾り付けを派手にして門を開けている。それが子供たちに「お出で、お出で」というサインになっているようだ。散歩中に発見したハロウィーンの飾り付け凝り性No.1は、掃除機のチューブに着色して作ったらしい八岐大蛇のような緑色の大蛇を大木に巻き付け、コウモリもぶら下げてライトアップしたお宅。ノリのいい男性No.1は、人気テレビ番組サバイバーよろしく上半身裸にぼろ布をまとい、顔を血みどろに塗りたくって頭に探検隊のランプをつけて通行人を驚かせていた(^_^;)。女性の凝り性はやっぱり魔女。軒先に骸骨が二体揺れているお宅で、子供たちが「Trick or treat」と叫ぶと定番の黒いドレスとお化粧に、ちゃんととんがり帽子も被って登場。

子供の相手をしたくない家は、格別飾り付けをしていなかったり家中灯が落ちているのですぐ分かる。マンションなどの集合住宅では、子供たちを歓迎する家は決まったシールをドアに貼るなどして、ゆっくり過ごしたいお宅と区別がつくようになっている。

さて、仮装の方だが、、、。去年はポケモンが断トツ人気で、あの黄色いポケモンのキグルミを着たりマスクを被った子供たちが大勢いたそうだ。その前年、大人の間で大流行はあのモニカ嬢のカツラと情事の名残の青いドレス。男性はもっぱらクリントンのマスクにブラック・タイだった。今年はテロ事件の後でありどうなることかと思っていたが、、、どうやら消防士の扮装が一番人気らしい。その他にも、自由の女神像など愛国精神を示す傾向があると報道されていた。昨夜、近所のショッピング・モールで開かれた小学生の学年別の仮装コンテストを見たところでは、女の子(特に低学年)はお姫さまや天使が多く、男の子はハワイの戦士や骸骨などで男女で傾向が割れていた。しかし学年が上がるに連れて性差は失せ、むしろヒネリを利かせての勝負になる。スパム缶(塩漬け肉と穀類の混ぜ物の缶詰め。コンビーフに似ているかも)をもじった衣装とか、奥歯を模った等身大の看板を二枚合わせてしょっていたり。手作りの工夫とウィットが感じられて思わず拍手してしまった。

けれど、この夜出会った子供の仮装でやはり驚かされたのは、まさにそのまま戦場に直行できそうな軍服姿の男の子がいたこと。そして、別のグループの付添のお母さんが、子供の仮装の小道具を持っていたが、ライフル銃にしか見えないしろものだったこと。去年はこう言うのはなかったなあ!と感慨深い。ハロウィーンの仮装はまさに世相を写す、日本で言えばお正月の羽子板のような役目を果たしている。消防士が英雄として賛えられ、子供の間で仮装人気ナンバー1であることには何の異存もない。けれどその切掛があのワールド・トレード・センターのテロ事件であることを考えると、一体来年はどんな仮装が人気を取るのか。願わくば穏やかな日常生活を象徴するものであって欲しいと思う。(2001.10.31)

 




 

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